抑えた感情は、消えるわけではない
その場をやり過ごすために感情を抑えるのは、必要な対処でもあります。ただ、抑えたものは消えたのではなく、後から体の重さや眠りにくさとして出てくることがあると言われます。
だからといって、いつでも感情を表に出すべきということでもありません。安全な場所とタイミングを選んで出す、という考え方のほうが現実的です。
出し方はいくつもある
泣くことが唯一の出し方ではありません。自分に合う経路を1つ持っておくと、詰まったときに使えます。
| 方法 | 向いている人 | ポイント |
|---|---|---|
| 書く | 人に話すのが苦手 | 誰にも見せない前提で書く |
| 話す | 反応をもらいたい | 相手を選ぶことが大事 |
| 体を動かす | 言葉にしづらい | 散歩や掃除でもよい |
| 泣く | 涙が出そうなとき | 無理に泣こうとしなくてよい |
| 作る・描く | 言葉以外で表したい | 上手さは関係ない |
書き出す手順
整理しようとすると手が止まります。整えるのは目的ではなく、外に出すことが目的だと考えてください。
- 紙かメモアプリを開き、時間を5分に決める
- 誰にも見せない前提で、頭に浮かんだ言葉をそのまま書く
- 文章になっていなくてよい(単語の羅列で構わない)
- 書き終えたら読み返さず、いったん閉じる
- 落ち着いた日にだけ、読み返すかどうかを決める
泣けないのは異常ではない
涙が出ないことを「感情が薄い」と受け取る必要はありません。疲れているとき、緊張が続いているとき、安全でない場所にいるときは、涙が出にくくなることがあります。
無理に泣こうとするより、泣いても大丈夫な環境をつくるほうが先です。ひとりの部屋、湯船の中、車の中など、人目のない場所を1つ確保しておくと安心です。
話す相手の選び方
身近な相手が適さない場合もあります。関係が近いほど利害が絡むため、第三者のほうが話しやすいこともあります。
- アドバイスより、まず聞いてくれる人
- 話した内容を他へ広めない人
- こちらの状況を評価しない人
- 話したあと、気持ちが軽くなる相手かどうか
- 身近にいないときは、専門の相談窓口を使う
強い反応があるときは専門家へ
思い出したくない記憶が急に浮かんでつらくなる、涙が止まらず日常が回らない、自分を傷つけたい気持ちがある。こうしたときはひとりで抱えず、心療内科・精神科やカウンセリング、自治体や公的な相談窓口に相談してください。
誰かに話を聞いてもらう時間として女性用風俗(女風)を利用する方もいますが、セラピストはカウンセラーや医療者ではありません。つらさの相談は専門家へ、という前提を持っておくことが自分を守ることにつながります。